計算力をつけるには

「計算力」とは何か。小学生に限定すれば、加減乗除の計算を、①正確に、②速くすることです。究極の計算力は「暗算」です。ソロバンや電卓を使用した計算力もあります。しかし、ここでは、紙と鉛筆を使った「筆算の計算力」をつけることを考えたいです。

山のような練習問題をひたすらこなしていくと計算力がつくと考えている人もいるでしょう。計算の工夫などお構いなしに、セオリー通りに計算を繰り返せば計算力がつくと考える人もいるでしょう。小学生に、その学年に、無限の時間があれば、これでも良いのかも知れません。

小学生に、正確に、速く計算する力をつけさせるには…

①10進数の仕組みを教える。計算は、「10進位取り記数法」通りである。「九」や「十」は一文字の表現だけど、「9」と「10」は表現にちがいがある。「10」は二文字で、しかも「位取り記数法」で表現されている。だから「10」の「0」を「空位の0」とよんでいる。
②細かいステップに分けて教える。繰り上がりの足し算なら、9+1,99+1の計算の仕組みを、タイルやブロックと対応させて、一の位・十の位・百の位の部屋を意識させる。
③練習問題を吟味する。数字が小さすぎないか。問題数がその児童や場面に適当か。児童が数字を書きやすいスペースのプリントか。意識的に位をそろえて計算できるプリントか。
④繰り上げや繰り下がりの補助数字を書いておく。思考過程を残しておくのが重要です。
⑤速く計算できる工夫をさせる。10の補数をみつける。末尾の0を省いた計算方法を教える。258×604等のかけ算なら、中間の0のかけ算を省くなど。(詳しくは、この工房の整数の加減乗除のプリントをご覧ください。)

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