算用数字とよばれる訳は
1、2、3、4、5、6、7、8、9、0のような数字を算用数字(インド・アラビア数字)とよんでいます。
たぶん、昔の日本では、算用数字を知る前に数を表す文字は、「漢字」と「かな」しかなかったのではないかと思います。「一、十、百、千…」と「ヒ、フ、ミ…」です。数値を「一寸、九十九里、百貫、四畳半…」と表現しました。円周率は「三尺一寸四分一五九二六…」と表現しました(算爼)。この漢字とかなと「暗算」だけでは、複雑な四則計算は困難と思われます。で、計算の補助道具として、一部で算木やソロバンが使われたのではないかと思われます。(関孝和は、計算の過程を数式ではなく漢数字とかなと記号で表現しました。この解法の文章を紙に書くことを筆算とよんでいました。アラビア数字は使っていません。)問題を解くための計算をするのには、漢数字やかなではちょっと都合が悪い…と思った人々がアラビア数字を使用し始めたのだと、私は思います。十進位取り記数法にかなうアラビア数字は、16世紀には日本へ入ってきて、一部(洋算)で使われていたようですが、一般への普及は明治以降のようでした。
結局、計算に用いられる数字 だったために、「算用数字」とよばれたようです。