デジタル教科書・教材の活用
児童生徒一人に一台のパソコン(タブレット)が与えられ、その活用が注目されています。児童が授業にパソコンを使う現象面だけをとらえて、その是非をああだこうだと言っているように思われます。
その昔、テレビが登場、普及してきたとき、「テレビは頭を悪くする」などと否定的に言われたことがありましたが、要はその番組の内容なんです。
教育活動の中のどこでデジタル教科書を使った方が教育効果があるのか。紙の教科書より優れているところの見極めが必要です。盲目的に、文科省が使いなさいと言っているから使うというのはどうなのでしょう。指導する側の、児童生徒が直接操作するコンテンツ(表示内容)の下調べが必要になります。
何でもかんでもデジタル教科書・教材を使う必要はないと思います。要は使った方が理解しやすいという場面で使うことです。
算数の場面の例。
・かけ算の倍の概念形成。ドットなどが2倍、3倍と増えていく場面とかけ算の式の対応。あるいは、ともなって変わる関数的な教材。
・コンパスで円を描くときのコンパスの使い方。分度器での角度の測り方、任意角の書き方。三角定規での平行線の引き方。
・三角形の面積の求め方(等積変換)。円の面積の求め方(扇型や三角形に微分)。
・拡大図や縮図。合同や相似形など、図形を移動する場面。等々
操作して見せたり、自分で動かしてみたり、数値を変えてシミュレーションしたりと、紙の教科書より優れているところを利用することです。
しかし、膨大な量のデジタル教材の下調べには時間がかかります。また、実際に自分が操作してみる時間もかかります。それならば、教材を拡大コピーして黒板に提示して、アナログ的に操作する授業も教材研究の時間短縮になり指導効果もあまり変わりません。
デジタル教科書・教材は、主体的に選択して利用することをおすすめします。