GIGAスクール構想は誰のため?③

〇「筆算」の指導の視点から

児童が教室で筆算の学習をする場面です。教師は、筆算の指導には、たいてい黒板とチョークを使用すると思います。白板とマーカー、実物投影機や大きなTV画面を使うかも知れません。

具体例として、二年生の「二桁+二桁」(十の位へ繰り上がる)の筆算場面を設定します。26+47にしましょう。
今までは、児童はノートに、鉛筆で、縦に問題を書いていました。

GIGAスクール構想に則った授業では、児童は液晶画面に問題を表示します。使用するアプリにもよりますが、たぶん、タッチペン(マウス)で数字を書く方が多いと思います。テンキーで数字を入力するアプリもありますが、入力する数字の位置を指定しなければならないので、使用しずらいでしょう。

タッチペンで26+47と筆算形式で書いたら、一の位から計算します。6+7=13で、答えの欄の一の位に3と書き、繰り上がった1を、十の位の数字2の上に小さくメモするために書かせます。1+2+4で7だから、答えの欄の十の位に7と書きます。

ここまではノートと鉛筆による筆算の書き方と同じです。間違えた場合は消しゴムで消して書き直します。

液晶画面で間違えた場合、一つ前に戻る方法や消しゴムツールで消す方法があります。しかし、これは時間がかかったり、操作に不慣れな児童の指導に時間がかかる難点があります。

次に、練習問題をする場合、ノートと鉛筆の場合、作業の跡が残り、振り返りができますが、液晶画面は、新しい画面にすると、振り返るとき、前の画面を読み込む必要があります。でなければ、数字を小さく表示したりして、ずいぶん手間がかかります。

また、ある調査では、紙に触れ手で書くことは記憶力の向上につながるということがわかったそうです。

筆算の学習で、液晶画面とタッチペンを使わせて練習をさせること自体、おかしいと思います。

紙と鉛筆で十分です。

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