続そろばん考
そろばんと暗算
桁数の多い加法や減法の計算でも、暗算で答えを出す方が格別に速いです。
その理由は何でしょう。
一番の理由は、暗算には物理的な操作がないということです。紙に書いて計算する筆算や電卓やそろばんは操作に時間がかかります。暗算は、念頭操作により、物理的な動きが、ほとんどないのです。ほとんどと言うのは、小刻みに指を動かす、数の情報を目や耳から入れる際に目や首などを動かすことがあるからです。
二番目の理由として考えられるのは、計算間違いをしても、瞬間的に正しい操作に戻せるということです。消しゴムで消したり、数字の打ち直しをしたり入れ直しをしたりするより各段に速いのです。
三番目の理由には、多くの暗算の方法が考案されていることです。ちまたには、暗算の達人が様々な暗算の仕方を発表しています。どれも、ある程度、練習・訓練を要します。
そろばんと高速暗算は親子みたいなものです。そろばんでの計算が高速暗算を産むからです。ある程度そろばんでの計算ができれば、やさしい暗算が可能です。
小学校では、筆算の指導の後に、暗算の仕方を指導していますが、そろばんでの暗算にはかないません。反対意見があると思いますが、小学校でもそろばんの念頭操作による暗算の仕方を指導してもよいのではないかと思います。