九九は覚えなくてもよい??

「九九を暗記する必要はない」的な意見があります。「え?なぜ?そんなことないでしょう!」と私は思いましたが…。このような主張をする人たちの理由は以下のようなものでした。

①九九はたし算で代替えすることができるから。九九を忘れても、ただのかけ算だから、たし算を使って導き出せるから。
〈そうかな?〉2×3は2+2+2ですみますが、9×9は9+9+9+9+9+9+9+9+9と、9を9回たすのに時間がかかりすぎます。「くくはちじゅういち」と覚えておいた方が速く答えを出せます。
②九九の暗唱で、「ことば」を唱えすぎて、本来の「かけ算の意味」を忘れてしまうから。
〈そうかな?〉「かけ算の意味」は倍概念が基本です。まず「整数倍の概念」を絵やアレイ図などで視覚化して指導します。また、「1つ分の数」が「いくつ分」あるかを表す式として「かけ算の式」を指導します。このことの理解と九九の暗唱とは関係ありません。九九の暗唱は「いろはにほへと」や「じゅげむ」や「お経」の暗唱と似ています。アイドルの曲の歌詞の暗記とも似ています。
③九九を暗記していたら、〇×9までで終わってしまい、〇×10や〇×11の答えは「わからない」「習っていない」などと言って、自分で答を出そうとしないから。
〈そうかな?〉3×5は、3×4+3というようなことを、各々の段の学習の際に指導しますので、3×10は3×9+3で30、3×11は3×10+3で33と、大部分の子たちは答えを出せます。

ということで、九九の暗唱は有意義だし、覚えていないより覚えている方が日常生活に絶対有利です。

ただ、学校での覚えさせ方に問題があるとの意見は「そうだね」と思いました。
それは、10秒以内に言わせることです。特に発音障害の子(吃音)にとって、頭の中で言えても声に出して言うことが困難だからです。それに、何で10秒以内に言わなければならないのか科学的な根拠がありません。それより、一回目は20秒で言えた、二回目は18秒で言えたと、個々人の努力を認めてあげるやり方がいいと思います。

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